W杯も、準々決勝になると、見所も増えてきます。
本日行われたブラジルvsフランス戦は、内容の濃い、スペクタクルなサッカーを展開していました。
フランスは、予選リーグでは調子が上がらず、もたつきましたが、スペイン戦あたりから、本来の調子を取り戻しましたね。
特に、ジダンのパフォーマンスが素晴らしい。
もちろん、サッカーは11人で戦うわけですから、ジダン一人では成り立ちません。
でも、彼にボールが渡った瞬間、フランスのサッカーに魔法がかかります。
流れるように、ボールをさばくその姿は、美しい。
まるでタクトを振っているようだとアナウンサーが言っていましたが、ジダンにボールが収まると、全員が動き出します。
これだけの活躍をしながら、引退とはもったいない気がしますが、だからこそジダンのために少しでも長く、W杯で試合をしたいという、フランスの結束の強さを感じました。
フランスは、23人中6人も8年前の優勝メンバーがいることを考えれば、いかにベテランが多いかわかります。
にもかかわらず、運動量が落ちない。
さすがに、ジダンは全盛期に比べれば、動いていないけれど、DFの要テュラム、ボランチのビエラ、マケレレなど、運動量が半端ではありません。
そして、今回大車輪の活躍の右サイドのリベリー。
このまま、故障者が出なければ、フランスが優勝するのではないか、とも思ってしまいます。
一方、ブラジルは優勝候補の最有力でしたが、最後までロナウジーニョのパフォーマンスが上がってこなかったですね。
チャンピオンリーグでピークを迎えてしまったのか、身体が重かったように見えました。
ある意味、司令塔のパフォーマンスで、明暗が分かれてしまったようにも思えます。
それにしても、不思議なのはブラジルのフォーメーションです。
なぜ、ロナウジーニョをFWとして、使ったのでしょう。
はじめから、アドリアーノを入れて、2トップしたほうが、機能していたと思います。
事実、中盤でためを作れる選手がいないので、前半はほとんどロナウジーニョにボールが渡りませんでした。
ロナウドも、本調子とは程遠い出来でしたので、1トップにするにしても、アドリアーノをスタメンで起用した方が良かったでしょうね。
日本戦でも、スタメンからはずれていましたから、監督と何らかの確執があったのかと勘繰ってしまいます。
1点を奪ってからの、フランスのディフェンスも素晴らしかった。
ただ、守っていただけでは、恐らくブラジルにこじ開けられてしまったかもしれませんが、ボールを奪うと、素早くカウンター攻撃を仕掛けるので、徐々にブラジルの両サイドバックの動きを封じ込めました。
カフーもロベカルも素晴らしい選手ですが、やはりベテランですから、90分間同じパフォーマンスを出すことは難しかったようです。
ここで、ブラジルがいなくなってしまうのは大変残念ですが、個人的にはもっと長くジダンのプレーを見ていたい。
もう、これで見納めになるでしょうから。
さて、これでベスト4が出揃いました。
決勝戦は、ドイツvsフランスでしょうか。
あるいは、イタリアが勝ちあがって来るのでしょうか。
残り少なくなってきましたが、最後まで、見続けたいと思います。